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アップル対グーグル、激しさ増すプラットフォーム争奪戦

「ネットのチカラ」第4部 プラットフォームを創る(上)

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統合モデルのアップルか、オープン路線のグーグルか――。米IT(情報技術)大手2社がデジタル時代のサービスや技術の基盤となるプラットフォームを握ろうと激しく競り合っている。ともにシリコンバレーを本拠地とし、一時は親密な関係にあった両社だが、打ち出す戦略は対極的。争いの行方は業界勢力図や競争ルールにも大きな影響を与える。

「問われているのは分断された仕組みと統合された仕組みのどちらが顧客にとって最良かということ。当社の統合モデルはグーグルに対する大きな強みだ」。アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は10月半ば、珍しく決算会見に出席し、持論を展開した。

プラットフォーム争奪の主戦場となっているスマートフォン(高機能携帯電話)。注目の的はアップルの「iPhone(アイフォーン)」と、グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した端末だ。アップルはハード(機器)からソフト、アプリ配信までを一手に扱う。一方のグーグルは世界中の端末メーカーに中核技術を無償で公開。自社のネットサービス利用を促し、広告収入につなげる事業モデルだ。

1990年代までのパソコン全盛時代。アップルはOSやMPU(超小型演算処理装置)の独自規格にこだわったが、覇者となったのは別の道を行くマイクロソフトだった。自らはOS「ウィンドウズ」の開発に専念し、MPU大手のインテルと二人三脚で「ウィンテル」規格をパソコンメーカーに売り込んだ。ITが大衆化していく過程でその事業モデルは有効に機能し、マイクロソフトは技術の業界標準を手にする。その影でアップルはシェアが低迷し、97年にはマイクロソフトから資金支援を受ける事態に陥った。

状況が一変するのは21世紀に入ってからだ。ネットが普及しパソコンなどハードの消費が成熟し始めた。IT機器はそれ単体ではなく、ネットサービスと連携させることによって価値を帯び、競争力を左右するようになった。さらにIT慣れした消費者はより完成度が高く、使い勝手のいい商品でなければ振り向かなくなった。2001年発売の携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」はネット音楽配信と融合されて時代の波に乗り、アップル躍進の土台を築いたといえる。

その後のiPhone、タブレット端末の「iPad(アイパッド)」も同様に、アップルが端末やサービス全体をコントロールする統合モデルが競争力の源だ。パソコン時代とは異なり、それぞれの分野でのシェアも高い。OSをパソコン、iPhone、iPadで「共用」するなど事業間のシナジー(相乗効果)も高い。株式時価総額は5月にマイクロソフトを抜き、IT業界の首位につける。

グーグルも負けてはいない。

ガートナーの調査によると、7~9月期に世界で販売されたスマートフォンのうち、アンドロイド搭載端末のシェアは25.5%と1年前の3.5%から跳ね上がった。世界最大の携帯電話メーカー、ノキア(フィンランド)が推す「シンビアン」の36.6%には及ばなかったものの、1年前とほぼ同じ16.7%のシェアだったアップルに差をつけた。

NTTドコモ、KDDI、シャープ……。10月に千葉・幕張で開かれた電機・ITの国際見本市「シーテック」では、各社がアンドロイド端末を前面に押し出す展示をした。ソニーが先陣を切る形でアンドロイドを活用したネット対応の「グーグルTV」を米国で発売するなど、グーグルの技術をプラットフォームにした生態系が急速に広がる。

グーグルの戦略は、自社技術を幅広い企業に供与するという点でマイクロソフトに近い。だが"本家"であるマイクロソフトは失速気味だ。スマートフォン向けOSのシェアは7~9月期で2.8%と1年前から5.1ポイントも低下した。グーグルの強みは検索技術をテコにしたネット分野での圧倒的な存在感と、技術を無償で配るオープン路線といえる。

2010年にノートパソコン事業が25周年を迎えた東芝。節目の年に同社はアンドロイド搭載のネット端末投入に踏み切った。長く蜜月を保ってきたマイクロソフトとの関係が微妙に変質するリスクを覚悟した上での決断だった。決め手はアンドロイドのネットサービスとの親和性の高さ。東芝は今後コンテンツ配信などサービスを絡めた新たな収益モデルを探る。

マイクロソフトは「スマートフォンのコストに占めるOSの割合は小さい。ウィンドウズが有償だからといって不利にはならない」と説明する。だがアンドロイドを搭載した「エクスペリア」がヒットしたソニー・エリクソンの担当者はこう打ち明ける。「端末の価格競争は激烈。わずかなコストも無視できない」

もともとグーグルのエリック・シュミットCEOがアップル取締役をつとめるなど両社は協力関係にあった。ハード中心のアップル、ネット検索のグーグルと事業領域のすみ分けも明快だった。しかし土台となる技術やサービスを幅広く押さえることで競争力を高めていくプラットフォーム時代に突入すると、事業領域がぶつかり合うようになった。気がつけば「親友」が「強敵」になっていた。

「グーグルは、アンドロイドはオープン(開放的)、iPhoneはクローズド(閉鎖的)と決めつけるのが好きだが、その議論は真の問題を隠そうとする目くらましだ」とジョブズ氏は切り捨てる。「アンドロイドを採用する台湾のHTCや米モトローラは独自性を出そうと異なるユーザーインターフェースを取り入れている。ユーザーには負担だ。iPhoneならどの端末も同じように動く」。アプリ開発についても「単一のプラットフォームに集中できる方が開発者も革新的なことができる」と、iPhone陣営が有利と説く。

12月に入りグーグルは、パソコン用無償OSの「クロームOS」を2011年半ばから提供すると発表した。韓国サムスン電子や台湾・宏碁(エイサー)が対応パソコンの発売を表明。パソコンでもアップルと正面から競合することになる。発表会でシュミット氏は「(同OSの浸透によって)クラウドコンピューティングの普及が進む」と発言するなど、グーグルがネット時代のリーダーになるという姿勢を崩す気配はない。

デッドヒートを繰り広げるアップル、グーグルだが、この2社以外から「勝者」が生まれる可能性もある。電子書籍端末と配信サービスで先行するアマゾン・ドット・コムは動画や音楽の配信にも力を注ぐ。SNS(人脈サイト)最大手のフェイスブックは電子メールなどにも進出し、着実に版図を拡大している。26歳のCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は有力誌「タイム」で「今年の人」に選ばれた。盟主の座をめざすルートは多様であり、伏兵がどこから出現しても不思議はない。

「30年以上にわたり、当社はITを手ごろな価格で誰でも利用できるようにするイノベーション(技術革新)で中心的な役割を果たしてきた。将来にも期待が持てる」。マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOもあきらめていない。収益力の高さ、研究開発投資の多さは群を抜き、なお無視できない存在だ。

(電子報道部 村山恵一)

 このシリーズは日経産業新聞12月20日付からスタートした1面連載「ネットのチカラ 第4部 プラットフォームを創る」と連動しています。

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