JT、たばこ出荷一時停止 30日から全銘柄
震災で原材料調達滞る
日本たばこ産業(JT)は25日、30日から4月10日まで全97銘柄のたばこの出荷を停止すると発表した。東日本大震災の影響で原材料の調達が滞っていることに加え、栃木県と福島県の工場の操業停止で安定供給が難しいと判断。銘柄を大幅に絞って生産し4月11日から出荷を再開する。店頭では今後、たばこが品不足になる可能性がある。
震災の影響でたばこの葉を加工する茨城県の自社工場などが操業停止しているほか、フィルターや包装材などを生産するメーカーも被災した。最終製品を生産する国内6工場中、郡山工場(福島県郡山市)と北関東工場(宇都宮市)も操業停止中で生産能力は通常の7割弱にとどまっている。
稼働中の東海工場(静岡県磐田市)など4工場では「マイルドセブン」など主力銘柄に絞り生産を続けるが、販売計画などを見直すため、出荷はいったん止めることにした。まず6~7銘柄の出荷を再開。5月中旬までに25銘柄まで増やす。JTが全銘柄の出荷を停止するのは初めて。通常時に戻るのは6月以降になる見通しだ。
セブン―イレブン・ジャパンはたばこの出荷停止を受け、たばこを扱う加盟店1万1800店へ買い物客に購入制限を告知する表示を配った。制限するかどうかは加盟店の判断に任せるが、一部では25日から実施しているという。ローソンは「ある程度在庫があるため通常通りの販売を続ける」(同社)としている。
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