イラン、反政府デモ弾圧強める 封じ込めに自信
【ドバイ=太田順尚】イランが反政府デモへの弾圧姿勢を強めている。テヘランで16日、デモ隊との衝突による死者の葬儀で、体制派と反体制派が衝突したのを受け、政府側は18日に改革を求める声に対する抗議デモを行うよう呼び掛けた。表向きは中東民主化を歓迎するイランだが、反政府運動の再燃を警戒。足元を揺るがしかねない火種を徹底排除する構えだ。
アハマディネジャド大統領は15日、「デモ隊は目的を達しない」と述べ、反政府デモの封じ込めに自信を示した。
イラン国営メディアは、14日の改革派支持者によるデモで死亡した男性が政府支持者だったと報道。中東の一連のデモとは、異なる構図であることを強調している。
政府系の団体もこれを利用し、改革派への抗議デモを企画。保守系議員らは15日、14日のデモを計画した改革派指導者のムサビ元首相とカルビ元国会議長を追訴し、絞首刑に処すよう求めた。
イランの改革派勢力は2009年の大統領選後の混乱以降、政府の弾圧で影響力をそがれていたが、中東で反政府デモが相次ぐなか、勢いを盛り返す可能性も出ている。