すれ違う首相と沖縄 知事と会談、わずか13分
菅直人首相は2日、沖縄県知事選で再選を果たした仲井真弘多知事と首相官邸で会談し、米軍普天間基地移設問題を巡る沖縄との対話を再開した。「県外移設」を公約とする仲井真氏に対し、首相は来春に予定する訪米までの決着にこだわらない考えを表明した。
仲井真氏「(名護市辺野古移設を明記した)5月の日米共同声明の見直し、県外移設の実現にぜひ取り組んでほしい」
首相「知事の公約と違うかもしれないが、辺野古移設と同時に負担軽減に全力を挙げる」
首相と仲井真氏の再選後の初会談はわずか13分。冒頭から両者の言い分はすれ違い、時折、首相は口ごもった。「昔、石垣島に何回か行ったことがあり、ある意味、沖縄をよく知っている。基地を含めて視察をしたい」とも語りかけた。
首相は11月の日米首脳会談後、沖縄を訪れて直接対話を試みると表明。政府内には知事選後最初の週末の「12月4~5日」の訪問案もあったが、千葉県の農家視察に変わった。政府筋は2日夜、首相が月内にも訪問する可能性に言及した。
仲井真氏は首相との会談後、仙谷由人官房長官とも約30分協議した。仙谷長官は「東アジアの経済環境の中で沖縄が大きな中核拠点として発展できるよう考えたい」と水を向けたが、仲井真氏の関心は経済振興。仙谷長官は沖縄政策協議会の沖縄振興部会を年内にも開催するよう指示した。