成城石井、三菱系ファンドが400億円で買収へ
レックス・ホールディングス(HD)は27日、傘下の高級スーパーである成城石井(横浜市)を三菱系投資ファンドの丸の内キャピタルに売却する方向で最終調整に入った。売却額は400億円を超える見込み。レックスHDは売却資金をもとに財務改善を進める。成城石井は三菱グループの流通網を生かし、海外を含めて出店を加速する。事業提携など、業界再編につながる可能性もある。
成城石井は首都圏や中部、関西の都市部に約80店を展開しており、高級感のある加工食品などの品ぞろえで知られる。立地条件のいい店舗が多いうえ、利益率がほかの食品スーパーの2倍程度と高く、投資ファンドや大手小売りが買収に関心を示していた。
丸の内キャピタルは三菱商事と三菱UFJフィナンシャル・グループが2008年に設立したファンド。昨年秋に始まった成城石井の売却入札で最高値を提示した。買収後は三菱商事が持つ流通ネットワークなども使って成城石井の店舗網拡大を支援していく方針だ。
レックスHDは焼き肉店「牛角」や居酒屋「土間土間」などを運営。04年に成城石井の創業家から株式の67%を65億円で買い取り、06年には完全子会社にした。
ただ04年に買収したコンビニエンスストアのエーエム・ピーエム・ジャパンの苦戦や、07年に実施したMBO(経営陣が参加する買収)の資金負担で負債が増加。借入金圧縮のために09年にはエーエム・ピーエムをファミリーマートに売却していた。今回、成城石井も売却することで財務改善を進める。