NY株、2年2カ月ぶり高値 追加緩和など好感
【NQNニューヨーク=横内理恵】3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比26ドル41セント(0.2%)高の1万1215ドル13セントで終えた。4月26日に付けた1万1205ドルを上回り年初来高値を更新するとともに、2008年9月19日以来、ほぼ2年2カ月ぶりの高値水準となった。米連邦準備理事会(FRB)が大規模な追加金融緩和を決めたことなどを好感した買いが入った。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、同6.75ポイント(0.3%)高の2540.27と2008年6月5日以来の高値で終えた。
FRBは3日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する金融緩和策を決めた。緩和規模が予想の中心とみなされていた5000億ドルよりやや大きかったとの見方などから買いが入った。
ただ事前に期待が広がっていただけに好材料出尽くし感も広がり、相場の上値は重かった。FOMCの結果発表後には、米長期金利が一時急上昇したことを嫌気して売りが膨らむ場面もあった。
朝方発表された10月のADP全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数(政府部門除く)が市場予想以上に増加した。10月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が予想以上に改善したこととともに、株価の支援材料になった。
2日に投開票された米中間選挙では、野党の共和党が下院で過半数議席を獲得。規制緩和や富裕層減税に前向きな共和党の躍進で、金融規制改革や医療保険改革などが一部後退する可能性があるとの思惑につながった。米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)や製薬大手ファイザーなどに買いが入った。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億株(速報)。ナスダック市場は約19億1000万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全10業種)では、「金融」など8業種が上昇した。
10月の北米新車販売台数が前年同月比で大きく増えたフォード・モーターが大幅高。前日夕に決算と併せて10年12月期通期の1株利益見通しを引き上げた保険のハートフォード・ファイナンシャル・サービシズにも買いが膨らんだ。朝方発表した決算が大幅増益だったインターネットサービス大手AOLも高い。
一方、決算と併せて10年12月期の1株利益見通しを引き上げたメディア大手タイムワーナーは安く終えた。バンカメなどが保有する株式の売り出しを発表した資産運用のブラックロックも下落。7~9月期の決算で赤字幅が拡大した住宅建設のパルトグループも売りが優勢だった。