基本給・手当、企業の23%が減額 厚労省調査
厚生労働省が30日発表した2010年の「賃金引き上げ等の実態に関する調査」によると、一時的な対応としてこの半年から1年程度、従業員の基本給・手当を減額した企業(予定含む)は全体の23.0%になった。09年の30.9%に比べて割合が縮小したものの、なお高い水準。景気の持ち直しは続いているものの、企業の先行き不安は根強く、賃金環境の改善には時間がかかっている。
調査は100人以上が働く企業3175社を対象に今年8月に実施し、57.3%が回答した。勤続年数に応じて賃金が増える「定期昇給制度(定昇)」を実施した企業が全体に占める割合は一般職の定昇で63.1%となり、前年の56.7%を上回った。半面、従業員全体の賃金水準を引き上げるベースアップ(ベア)を実施する企業は9.6%にとどまり、前年の12.6%を下回って比較可能な04年以降で最低となった。
定昇実施やベア、手当の積み増しなどで1人当たりの所定内賃金を引き上げた企業は74.1%となり、前年に比べ12.4ポイント上昇した。ただ1人平均の改定額は3672円と小幅にとどまった。