与党、通常国会へ環境整備急ぐ 岡田氏「自公と部分連合」
政府・民主党は通常国会に向けた環境整備を急ぐ。野党が審議に応じる条件に挙げる仙谷長官ら「問責閣僚」は交代させる方向。小沢氏の政倫審への招致問題でも、国会開会前に議決に踏み切り「政治とカネ」の問題にけじめをつける構えだ。
「国会運営がスムーズに進むようにしてほしい」。横路孝弘衆院議長は9日、議長公邸を訪ねた菅直人首相にこうクギを刺した。民主党内に仙谷長官らを続投させ、野党抜きで国会審議を進める強行突破論がくすぶっているためとみられる。
首相は横路氏との会談後、首相公邸で野田佳彦財務相、勝栄二郎財務次官らと予算審議への対応を巡って協議した。歳入関連法案が年度内に成立しない場合の対応なども話し合ったもようだ。
仙谷長官や岡田幹事長は来年度予算案の修正にも言及する。岡田氏は9日のNHK番組などで「子ども手当や高校授業料の無償化は変えるつもりはない」としつつ「合理的であればやぶさかではない」とも強調。首相は消費税を含む税制の抜本改革に向けた超党派協議も呼びかける。
岡田氏は同日の番組で自民、公明両党と連立を組む可能性について「すぐには難しい。当面は個別テーマごとに賛成が得られるよう努力する」と昨年の臨時国会で不発に終わった「部分連合」への期待を改めて表明。衆院解散・総選挙の可能性については「首相の権限なので『解散をしない』と言う必要はない。状況に応じてあるかもしれない」と含みを持たせた。