都心「大丸有」の防災連携高層ビル群、帰宅困難者収容
東京都心のビル群で災害時の帰宅困難者対策が進んでいる。金融機関や商社などが集積する一大ビジネスセンターである大手町、丸の内、有楽町の「大丸有」地区で非常用発電の共有や食料備蓄などで連携する。約100棟のビルがスクラムを組み、全国でも異色の防災体制を整えつつある。 JR東京駅の近くにある同地区は約120ヘクタールの面積に約5千の事業所がある。昼間はビジネスパーソンや買い物客など35万人が集中する一…
全国の3割弱の市町村がコメの産出額を増やしている。全国有数のコメ所である秋田県では、4分の3の市町村で2022年の産出額が14年を上回った。人口減や食の多様化などで日本の食卓でのコメの存在感が薄れるなか、新しいブランドや用途の開発、輸出強化といった農業者の地道な努力が実りつつある。 農林水産省によると、22年のコメの総産出額は1兆3946億円。市町村別の推計産出額の公表が始まった14年に比べて3…
洋菓子メーカーのモロゾフが、あえて社名のモロゾフを打ち出さないブランドを立ち上げ、売り場を増やしている。百貨店の閉店や原材料高など逆風が吹くなか、百貨店にブランド別の店舗を複数出店することで業績拡大につなげている。2024年1月期は過去最高益を更新した。 京都高島屋S.C.(京都市)の地下1階に23年9月、焼き菓子を中心とした洋菓子専門店「ガレット オ ブール」がオープンした。 ガレット オ ブ…
真空状態で色のついたフィルムを部材に近づけ、外側から空気を注入すると一瞬で貼り付く。樹脂成型の布施真空(大阪府羽曳野市)が開発した装置は、自動車工場の中で二酸化炭素(CO2)の排出量が特に多い塗装工程に見直しを迫る。 所要時間は約20分。塗装の6分の1だ。CO2の排出量はフィルムの生産分を含め塗装より4割少ない。矢葺勉社長は「環境負荷が問われる電気自動車(EV)にぴったり」と自信をみせる。 …
「新幹線の利益を受けるのは長崎県で、不利益を受けるのは佐賀県だ。今の整備新幹線スキームでの合意は至難の業だ」 長崎(長崎市)―武雄温泉(佐賀県武雄市)間で2022年9月に開業したものの、博多方面への延伸ルートが定まらない西九州新幹線。佐賀県知事の山口祥義は3月の県議会の答弁で、その原因が国にあると改めて指摘した。 きっかけはレール幅の異なる新幹線と在来線の両方を走行できるフリーゲージトレイン(F…
日本初の山岳リゾートホテルとして1933年に開業した上高地帝国ホテル(長野県松本市)。2024年4月、総支配人に福山貴美恵さんが就任した。上高地のほか東京、大阪にある帝国ホテルのうち初の女性総支配人でもある。現在、今季(4〜11月)のオープン日である26日に向け詰めの作業に走り回っている。 上高地帝国ホテルは伝統的に帝国ホテルグループの新人研修などの場として活用されている。客室数が74室と少ない…
広島市の西部、JR横川駅前にある横川商店街。かつては閉店した店舗のシャッターが並んでいたが、今ではイベント時に市内外から2万人規模が集まるエリアにまで成長した。商店街を復活させた仕掛け人が、横川商店街振興組合理事長の村上正さん(77)だ。「来る者拒まず」の精神で多種多様なイベントを打ち出す。 村上さんは商店街の一角で家業のおもちゃ屋を継ぎ、30代の頃から商店街振興に携わってきた。横川一帯では現在…