円、一時81円台後半に急落 円売り介入受け
18日の東京外国為替市場で円相場は一時、1ドル=81円台後半に急落した。G7財務相・中央銀行総裁による電話会議での合意を踏まえて、政府・日銀が午前9時から円売り・ドル買い介入を実施。その直前の取引水準から一気に2円以上円安に振れ、その後も徐々に下げ幅が広がった。
円相場は17日の早朝に急伸し、一時76円25銭と約16年ぶりに最高値を更新していた。東日本巨大地震や原発事故を受け、機関投資家が外貨運用に慎重になったり、外貨建て資産の売却に伴う円買いが生じたりするとの思惑が拡大。海外ファンドなどが先回りして円買いを進めたためだ。
G7は18日に協調して断続的に円高阻止に向けた市場介入を実施する。東京市場で日本が介入に動いたことで、最近の円高の流れはいったん反転した格好。ただ、海外の市場参加者が注目する原発事故が予断を許さないだけに、市場では「相場の本格的な転換には当面時間がかかる」との見方も根強い。「円が値下がりすれば海外ファンドなどや輸出企業の円買いが入ることが予想され、円は底堅い展開に転じる」(国内証券)との指摘も聞かれた。