シャープ、電子書籍12月開始 日経など配信
新端末発売、新聞・雑誌など定期配信
シャープは27日、タブレット型の電子書籍端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」を12月に発売すると発表した。日本経済新聞などの新聞や、雑誌の定期配信サービスも同時に始める。先行する米アップルの「iPad(アイパッド)」を追撃する。年内にはソニーも「リーダー」を日本で発売する予定で電子書籍などを購読できる高機能端末が普及しそうだ。
「ガラパゴス」の画面は、雑誌が見開きで読める10.8型のホームタイプと、持ち運びに便利な5.5型の2種類。基本ソフトは米グーグルの「アンドロイド」をベースに開発した。3万冊の電子書籍に加え、来春からは音楽や映画も配信する予定。
価格は11月にも発表するが他社製品と同程度で、「2011年のなるべく早い段階で販売100万台を達成したい」(シャープの大畠昌巳執行役員)としている。
当初読めるのは新聞では日経のほか朝日新聞、北海道新聞、日刊スポーツ、雑誌では日経ビジネスや週刊ダイヤモンドや週刊東洋経済、ニューズウィーク日本版など。定期購読契約をすれば、読者が希望する時間帯に記事を自動配信する。購入履歴に基づいてお薦めする本の「お試し版」を配信し、気に入ればクリック一つで完全版を買える機能なども盛り込んだ。
解像度が高いカラーの液晶パネルを搭載し、雑誌のグラビアなどもきれいに表示できるようにした。縦書きやルビなどの日本語表現に対応した独自規格「XMDF」を開発し、新端末に採用した。シャープは配信するコンテンツを増やすため、同規格を使った電子書籍の制作支援も手掛ける。
「ガラパゴス」という商品名は、生物が独自の進化を遂げた南米のガラパゴス諸島にちなみ「環境の変化に対応し、進化する商品との思いを込めた」(同社)という。
指などで画面に触れて操作ができるタブレット型の端末では、5月にソフトバンクが発売したiPadが人気を集めている。アップルが運営するサイトからゲームや音楽、電子書籍などを購入して楽しめる多機能性が特徴だ。
ソニーも米国で販売している電子書籍端末「リーダー」を、年内に日本で発売する。画面には、白黒しか表示できないが活字が読みやすい「電子ペーパー」を採用する。消費電力が少なく、2週間連続で使えるなど工夫を凝らす。