変わる名古屋・栄、新顔続々 名古屋駅地区に対抗
名古屋市の中心繁華街・栄地区に小売りや飲食の新店が相次いで開業する。青山商事が紳士服の旗艦店を3日に、栄開発(名古屋市)が19日、スイーツのテーマパークを開業する。栄地区はここ数年、名古屋駅地区に押されていたが、話題性がある店舗が増えることでもともと幅広い客層が集まる栄地区の魅力が高まり「名古屋駅地区への対抗力が強まる」との見方も出ている。
青山商事は1日、中部地区の旗艦店となる「洋服の青山 栄本店」を3日に開業すると発表した。大津通を挟んで「ラシック」の向かいにある商業ビルの1~2階に入居し、総売り場面積は746平方メートル。スーツを1700着、ビジネス用品や小物など豊富にそろえるほか、婦人服も就職活動用から礼服までフルラインでそろえたという。同社は「栄はファッションの店が集積しており魅力的な立地」という。
栄開発は19日、「栄ノバ」地下1階にスイーツのテーマパーク「Sweets Circus & L(スイーツ・サーカス・アンド・エル)」を開業する。フロア内の厨房(ちゅうぼう)で作ったプリンやクレープ、ケーキなどを約190席用意した店内で食べることができる。20~34歳の女性がターゲットで、社会人や学生らを集客したい考え。
同施設には試供品がもらえるコーナーも併設する。会員登録したうえで、ケーキなどの購入時に提供されるコインと交換で食品や雑貨などの試供品がもらえる仕組み。流行に敏感な若い女性の話題となりそうだ。
バルスは10月29日に雑貨店「NAGOYA Francfranc(ナゴヤ・フランフラン)」を栄で開業した。同社では東京・青山などに続く全国で4店舗目のライフスタイルにこだわった商品を取り扱う旗艦店だ。これまでの名古屋パルコ内の店舗は10月上旬に閉めて、より目立つ路面店として出店した。「男性や女性、年齢層などオールターゲットで集客しやすい」(社長室店舗開発チーム)とみたためだ。名古屋駅地区と比べ買い物目的の消費者が多いのも栄での出店の決め手だったという。
栄地区ではこのほか、松坂屋名古屋店と名古屋三越栄店が2011年春以降に改装を計画している。各店が独自に個性を磨き合い、街の魅力を高めて集客につなげることができれば、名古屋駅地区の再開発にも対抗できそうだ。
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