成年後見普及へ公的支援 世界会議「横浜宣言」採択し閉幕
認知症の高齢者らの権利を守る成年後見制度のあり方を議論した初の世界会議は4日、普及が遅れている日本に公的な支援システムを創設することなどを提言する「横浜宣言」を採択して横浜市で閉幕した。
会議には17カ国・地域の法学者ら約500人が参加。宣言は「全世界的に高齢者人口は増加しているが、いまだに多くの国で成年後見関連の法整備は立ち遅れている」と問題提起した。
さらに2000年の制度スタート以来、10年間の利用件数が約17万件(最高裁集計)と低迷している日本の課題も列記し、「誰でも利用できる制度とするため、行政が制度全体を支援するシステムが不可欠」と指摘。後見人への報酬などを払えない人のため、公的費用補助なども提言した。
3日間にわたった会議では、約130万人が制度を利用している先進地ドイツや、低所得者でも後見人を依頼できるよう、公的援助による派遣制度を設けているカナダの取り組みなどが発表された。近く制度を導入予定の韓国など、アジア各国からの現状報告もあった。〔共同〕