牛丼3社、上期は経常増益 値下げ・低価格商品が奏功
牛丼大手の2010年4~9月期連結決算が4日、出そろった。「すき家」のゼンショーと松屋フーズは値下げで集客が大幅増。吉野家ホールディングス(HD)は3~8月期にコスト削減が進み、経常利益段階で3社とも前年度上期と比べ増益となった。値下げで出遅れた吉野家HDも足もとでは低価格商品の投入により業績が上向きつつある。
ゼンショーの経常利益は前年同期比2%増の63億円だった(従来予想は74億円)。ファミレス事業は10億円の赤字(前年同期は非開示)と苦戦したが、主力の牛丼店「すき家」が65%増の66億円と伸びた。売上高は14%増の1845億円。すき家の既存店売上高は23%増で、客数は38%増。郊外店で「(家族客など)新たな客層開拓が進んだ」(小川賢太郎社長)。
経常利益が前年同期比倍増した松屋フーズも、上期に計5回の牛丼値下げキャンペーンを実施して客数を増やした。
吉野家HDも収益は回復傾向にある。上期は牛丼関連事業が営業利益段階で減益だったが、子会社の損益が改善。3~8月期の連結経常損益は、期初の赤字予想から一転して黒字となった。低価格商品を発売した9月の牛丼店「吉野家」の既存店売上高は6%増。下期は本格回復を目指す。
ただ3社とも低価格による集客が持続するかどうかは不透明だ。
関連企業・業界