コープさっぽろ、食事宅配を北海道全域で展開へ
コープさっぽろ(札幌市、大見英明理事長)は10月に札幌圏で食事宅配事業を始め、2012年3月までに対象地域を全道に広げる。日々の買い物や調理が困難な高齢者世帯が増えている状況に合わせて、新たな需要を開拓する。コスト削減に努め、初年度から黒字化を目指す。
食事は月曜日から金曜日の週5日、夕食向けに宅配する。事前予約制で週3日から利用できる。コープさっぽろは3年後までに宅配数を1日5万食に増やしたい考えだ。
管理栄養士が考案するメニューは日替わりでおかずのみ。「普通食」(590円)と、カロリーを400キロカロリー以下、塩分を4グラム程度に抑えた「低カロリー食」(498円)の2種類を用意した。白飯やみそ汁、サラダなどは別売り。各メニューは石狩市内にある直営の食品工場で製造する。
9月下旬から登録を受け付け、まずは札幌市の北区や東区、岩見沢市など4地域で10月25日から宅配を始める。宅配対象地域は順次広げ、最終的に全道31カ所の配送センターから約10キロメートル以内の距離にある組合員の家庭に届ける。一部の空白地域については、店舗を経由した配送も検討する。
平日は毎日配送するため、商品宅配事業「トドック」とは別の専任スタッフを雇用する。ただ、店舗販売の総菜と原料を共通化するほか、再使用できる容器を利用して原価を圧縮する。
過疎化が急速に進む道内では、地元の弁当店などへ委託して高齢者を対象とした給食事業を実施する市町村があるほか、セブン―イレブン・ジャパンなどが同事業を手掛ける。コープさっぽろは道内の宅配ネットワークや総菜の製造施設などを活用することで質、価格の両面で差別化を図る。
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