高岡銅器でウイスキー蒸留器や鈴原料高騰、脱・仏具へ
銅価格の高騰を受け、富山県高岡市の主要産品「高岡銅器」が新たな市場開拓に乗り出している。お寺の釣り鐘製作技術でウイスキー蒸留器を作り、仏具の鈴（りん）を楽器や「熊よけ鈴」に転用する。神仏関連の需要が減るなか、伝統工芸品の強みを生かして原料高を販売価格に転嫁させる。 「お寺の釣り鐘もウイスキー蒸留器も形が似ている。作れないことはない」。日本の釣り鐘で7割のシェアを持つ老子製作所（高岡市）の老子祥平…
働く障害者が増えている。民間企業の雇用者は2023年6月1日時点で64万2178人と前年より4.6%増えた。20年連続の増加で、雇用者に占める割合も2.33%と過去最高だった。構造的な働き手不足もあって障害者の活躍の場はさらに広がりそうだが、収入面を含めて安心して安定的に働ける環境の整備が一段と重要になる。 国は一定規模以上の事業所に対し、従業員の一定割合の障害者を雇用するよう義務付ける。この法…
自動車部品の企画・製造販売、STS hicoA（ヒコア、鳥取市）はトラックやバスなど大型車の車輪についてホイールナットの緩みが一目で分かる部品を開発した。走行中の車両からタイヤが外れる脱輪事故が全国で相次ぐ中、事故原因の一つであるナットの緩みを防ぎやすくする。運送事業者などに活用してもらい事故防止に役立てる。 開発した部品は「WHEEL-hat GUFO（グーフォ）」。直径40センチのドーナツ状…
ヤマハ発動機が既存事業以外を開拓する新規事業を仕切り直す。現行の中期経営計画の最終年である2024年の事業売上高は100億円と、当初目標の300億円に届かない見通し。新興国での物流支援などモビリティーサービスを軸に据え、横浜市の新開発拠点も活用して25年からの新中計で成長を期す。 ヤマハ発は二輪車や船外機（船の外付けエンジン）などマリン関連の製造・販売をコア事業、電動アシスト自転車やロボット関連…
町工場のネットワークが大阪市港区の弁天町から広がっている。約150社が参加し技術を持ち寄る「ガレージミナト」がその中心で、研究者らと製品の開発を目指す。「空飛ぶトラック」と名付けた飛行船プロジェクトも進行中。行政とも協力し、小中学校の生徒にものづくりの面白さを伝えている。 1日午後6時。JR弁天町駅から徒歩7分の場所にある成光精密の本社で、有志による飛行船プロジェクトの会議が始まった。同社はガレ…
福岡空港が「数十年に一度」の大工事で生まれ変わろうとしている。4月に就任した福岡国際空港（福岡市）の田川真司社長は日本経済新聞のインタビューに応じ、将来像について「ひとつの街をつくるイメージ」と語った。2026年度に竣工予定の商業モールやホテルを備えた複合ビルを目玉に、地域住民も集客できる施設をめざす。 福岡国際空港は26年度にかけて6エリアで大規模工事を計画している。設備投資は総額約890億円…
神戸大学発スタートアップのバッカス・バイオイノベーション（神戸市）は、ものづくりに役立つ微生物の開発期間を10分の1に短縮する。政府系機関の補助金110億円を活用し、2027年度までに研究施設を拡張。ロボットを導入して開発スピードを上げ、化学メーカーなどの需要に応える体制を整える。 微生物の力で廃棄物などから有用物質を生産する「バイオものづくり」は、製造工程のエネルギー消費を抑えられる。脱炭素の…
