今夏の気温、各地で戦後最高に
10月まで「高め」続く見込み
今年の夏は戦後最も暑かった――。8月の各地域の月平均気温が、地域別に集計を始めた1946年以降、沖縄・奄美地方を除く全地域で過去最高を更新する見通しとなったことが30日、気象庁への取材で分かった。夏(6~8月)の平均気温も北日本(北海道、東北地方)と東日本(関東甲信、北陸、東海地方)で過去最高となる見込みで、今年の猛暑を裏付ける形となった。
同庁統計室によると、29日までの暫定値で、8月の地域別の月平均気温は、北日本で2.6度、東日本2.2度、西日本(近畿~九州南部)2.1度平年より高く、過去最高に。夏の平均気温も北日本が2.2度、東日本が1.8度平年より高く、観測史上最も暑かった。
今年は最高気温が35度以上の猛暑日も各地で頻繁に観測され、154地点中9カ所で夏の猛暑日日数が過去最多に。記録が更新されたのは、熊谷(埼玉)の29日、舞鶴(京都)25日、米子(鳥取)21日など。
同庁気候情報課によると、偏西風の蛇行が猛暑の原因。平年なら日本の上空を通るはずの偏西風が北側にそれ、南からの太平洋高気圧が日本上空に居座りやすくなっている。そのため晴れて気温が上がる日が多かった。
また、今年は日本を含む北半球の中緯度帯の気温が各地で平年より1度以上高い。春まで続いたエルニーニョ現象の影響と考えられ、「普段より暑くなりやすい状況になっている」(気候情報課)という。
今後も高気圧の影響を受け、10月までは平年より気温が高い日が多くなる見込み。同庁は体調管理などに注意を呼びかけている。