日立GEニュークリア・エナジー、放射性医薬を開発
日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の合弁会社、日立GEニュークリア・エナジーは15日、放射性医薬品原料「モリブデン99」の製造技術開発に乗り出すと発表した。10月に発足した官民の検討会に参加する。原子炉を利用した製造技術を確立し、数年後の実用化を目指す。
モリブデン99はがんの画像診断などに使う代表的な放射性医薬品の原料。日本は世界2位の消費国だが全量を輸入している。内閣府の呼び掛けで12社・機関による安定供給策の検討会が発足し、今回新たに日立GEニュークリアが加わった。
同社は沸騰水型軽水炉(BWR)と呼ばれる原子炉の設計・建設のノウハウを生かし、同炉を使ったモリブデン99の製造技術を研究する。稼働中のBWRを使った生産へ向け、薬事法など法規制の問題も検討する。
モリブデン99はカナダやオランダ産が多いが、製造が頻繁に止まるという。今年4月にはアイスランドの火山噴火の影響で輸入が滞り、医療現場に懸念が広がった。
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