コンビがMBO ベビー用品市場低迷で抜本改革
東証1部上場のベビー用品大手、コンビは9日、MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表した。創業家が設立した投資会社がTOB(株式公開買い付け)などを通じて全株を取得、上場廃止を目指す。買収総額は122億円。少子化でベビー用品の国内市場が縮小し、抜本的な構造改革には株式の非公開化が必要と判断した。
創業家の資産管理会社が設立した投資会社、パインホールディングス(東京・千代田、松浦弘昌社長)が10日から12月27日までにTOBを実施する。買い付け価格は1株当たり1千円で8日の終値に約46%のプレミアムをつけた。野村キャピタル・インベストメントが投資会社に対し100億円超を融資する意向だ。
成立の下限は発行済み株式の約55%だが、すでに約8%を持つ創業家一族は全株を応募、約14%を持つ筆頭株主のフジモトHDも8割弱の株式を応募する意向を示している。成立した場合は応募に応じなかった普通株について、少数株主から強制的に買い戻せる「全部取得条項付種類株」に転換し、最終的に全株を取得する。
コンビは主にベビーカーやチャイルドシートなどのベビー用品を販売しているが、少子化による市場縮小から、連結売上高はここ数年、260億円前後で伸び悩んでいる。自社ブランドの哺乳(ほにゅう)瓶に今年本格参入するなど扱い商品を増やしており、株式非公開化を機に総合ベビー用品メーカーへの脱皮を急ぐ。