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ドコモ回線で使える「iPhone4」 通信速度・エリアを試す

ジャーナリスト 石川 温

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日本通信が、米アップルのスマートフォン「iPhone4」の専用microSIMカードを8月末に発売した。このカードを携帯電話端末を他の事業者で使えないようにする「SIMロック」がかかっていないiPhone4に装着すれば、国内ではNTTドコモのネットワークを使って音声通話やデータ通信をすることができる。香港からSIMロックフリーのiPhone4を取り寄せ、都内で通信速度などを試してみた。

日本通信が発売したiPhone4用microSIMカードは、ソフトバンクモバイルが国内で販売中のSIMロックがかかったiPhone4に挿入しても動作しない。日本通信のサービスを使うには、SIMロックがかかっていないiPhone4を調達しなくてはならない。

英国やフランスなどではiPhone4の発売当初から、オンライン直販店「アップルストア」でSIMロックフリー版を販売している。今回は7月30日からSIMロックフリー版iPhone4の販売を開始した香港で、知人を経由して製品を購入した。

32ギガバイトモデルで約6万6000円

香港ドメインのオンライン版アップルストア(http://www.apple.com/hk/)は、日本からでもiPhone4の購入手続きができ、日本で発行されているクレジットカードで決済が可能だ。ただし、製品の送付先は香港の住所に限り、日本の住所を指定できない。このため製品購入は7月30日の夕方に日本から香港のアップルストアに注文して決済手続きを済ませ、香港の知人の事務所を送付先とした。

香港でのiPhone4の価格は32ギガバイトモデルが5888香港ドル。クレジットカードのレートが1香港ドル=11円303銭だったので、実際の支払額は6万6551円となった。

注文時にアップルストアには、発送までに「3週間かかる」と表記されていた。実際に発送されたのは8月13日で、知人の手元に届いたのが8月18日。翌19日に香港から発送された製品が日本の自宅に到着したのは21日だった。その際にかかった国際郵便の輸送料は、153香港ドル(約1723円)だった。

香港版のiPhone4は、電源コネクターが香港仕様になっている以外は見た目は日本版と変わらない。日本の電波法令で定める技術基準に適合している無線機であることを証明する「技適マーク」は本体背面にこそ刻印されていないが、メニューからたどっていくと「認証」画面に表示できる。これで香港版のiPhone4を日本で使っても問題ないことを確認できた。

ソフトバンクモバイル版とどちらが快適か

日本通信のiPhone4用microSIMカード「talking b-mobileSIM プラチナサービス」の料金は、1050円の無料通話分を含めて月額6260円。データ通信は使い放題となる。

日本通信はNTTドコモのネットワークを使うMVNO(仮想移動体通信事業者)であるため、NTTドコモと同じエリアで通信サービスを提供できる。実際、microSIMカードを見ると日本通信のサービスながら、NTTドコモのロゴが入っている。データ通信速度は「iPhone4の利用に適した速度」(日本通信)という。NTTドコモのデータ通信サービスは毎秒7.2メガビットがスペック上の最大速度だが、日本通信は「iPhone4ではそこまでのスペックは処理しきれない。アプリケーションに合わせた通信速度を調整して提供する」という。

現在、ソフトバンクモバイルが国内で提供するiPhoneを使っているユーザーには、ネットワーク品質やサービスエリアに対する不満が少なからずある。だからこそ、NTTドコモのネットワークを使えるiPhone4の登場が注目されていたのだ。では、実際、日本通信のmicroSIMカードをSIMロックフリーのiPhone4に挿入するとどうなるのか。ソフトバンクモバイル版と比べてみた。

まず、最も気になる通信速度。あまりネットワークが込んでいない早朝などの時間帯で比較すると、どちらも毎秒2メガビット以上の速度が出ている。東京・新宿の住宅街で数十回、速度測定アプリを試したが、平均速度では日本通信がやや勝っていたものの、ソフトバンクモバイル版も決して見劣りするものではなかった。

それぞれのネットワークを使ったiPhone4の通信速度(単位はキロビット/秒)
計測時間帯
通信方向下り上り下り 上り
日本通信(NTTドコモ)18543011724247
ソフトバンクモバイル1238352942138

東京・新宿で、iPhoneアプリ「Speedtest X」にて計測。夜は22時から2時間、朝は7時から2時間、それぞれ20回行った平均値

ただしソフトバンクモバイルのネットワークは、都内でも何カ所かパケットが流れづらいと感じられる場所がある。エリア内なのに通信中に圏外になったり、圏内でもパケットの流れが悪くなったりすることがある。また、夜間などトラフィックの多い時間帯も、通信速度が落ちることがある。このように、速度が出て快適な時がある一方で時間や場所によっては遅くなるなど、全体的に「あまり安定しない」という印象だ。

その点、日本通信のサービスは、NTTドコモのネットワークを使っているだけあり、おおむねどの場所、どの時間帯でも快適に使え、ストレスをほとんど感じなかった。アンテナバーの本数が多ければ速いとも限らないようで、ソフトバンクモバイルが5本、日本通信が1本しか立っていないところでも、日本通信のほうが高速だったケースもあった。

800MHz帯に対応しているか山間部で実験

もう1つ、SIMロックフリー版iPhone4とNTTドコモのネットワークの組み合わせで確認したかったのが「800MHz帯をカバーしているか」という点だ。NTTドコモのFOMA端末は現在、2GHz、1.7GHz、800MHzの3つの周波数帯に対応。山間部などは「FOMAプラスエリア」として800MHz帯の周波数でカバーしている。そのため、「iPhone4が800MHz帯に対応していなければ、山間部などで使えないのではないか?」という指摘があったからだ。

ソフトバンクモバイルの孫正義社長の最近のコメントを聞いたりネット上の情報を調べたりした限りでは、iPhone4は800MHz帯でも使えるようだ。しかし、本当にそうかどうかは、実際に試してみないとわからない。

そこで、日本通信のmicroSIMカードを装着したiPhone4を持って、東京西部の山間部に向かうことにした。着いた先は東京都檜原村にある「都民の森」。都心部から約90キロメートル、クルマで約2時間の場所だ。

NTTドコモのエリアマップを見ると、都民の森周辺はFOMAプラスエリアでカバーされる地域となっている。2GHz帯のサービスエリアからかなり離れているので、実験には最適な場所といえる。

結果は、まったく問題なく利用できた。通信速度も毎秒1メガビット以上出て快適だ。全地球測位システム(GPS)で現在地を測位し、パケット網から現在地の地図データをダウンロードして表示させるといった処理も、都内と同じ使い勝手で利用できた。通話も可能なため、iPhone4が800MHz帯に対応していることは間違いなさそうだ。

なお、ソフトバンクモバイル版のiPhone4は都民の森の約7キロ手前で圏外となり、その後は電波が入ることはなかった。

モデム代わりにも使えるが速度に上限

日本通信のサービスは、iPhone4をモデム代わりにしてパソコンからインターネットを使う「テザリング」と呼ばれる機能も備えている。この機能を使っても料金は変わらないが、通信速度は最大毎秒300キロビット程度になってしまう。上限があるため快適とまではいかないが、万が一の時にはかなり便利に使えるだろう。

iモードなどNTT独自の機能は当然ながら使えないが、電話番号で送受信するSMS(ショート・メッセージング・サービス)に限ればNTTドコモユーザー間でやり取りが可能だ。ただし画像などを添付できるMMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)には対応していない。

iPhone4の新機能であるビデオ通話サービス「Facetime」も利用できない。日本通信に確認したところ、「MMSが使えないとFacetimeも利用できないようだ」という。ただし、アップルはFacetimeを「iPod touch」の新機種に搭載すると発表しており、この点は早期に改善される可能性がある。

日本通信はtalking b-mobileSIM プラチナサービスに、音声通話のオプションサービスとしてキャッチホンや留守番電話、転送電話、国際電話、国際ローミングなどを付加している。海外でのデータ通信には対応していないが、SIMロックフリー版のiPhone4であれば、現地の通信事業者からmicroSIMカードを調達して使うことができる。

日本通信のmicroSIMカード+SIMロックフリー版iPhone4の組み合わせは、ソフトバンクモバイル版iPhone4と比べると、料金はやや高くなる。その一方で、どこでもストレスなく安定してネットを使えるという点は魅力的に見えた。

ただ現時点でSIMロックフリー版iPhone4の入手は決して簡単ではない。ネットオークションや業者では10万円近い価格で販売されており、気軽に買えるものではない。とはいえ、これまでソフトバンクモバイルが独占していたiPhoneに、別のネットワークを使えるという選択肢ができたことは、ユーザーにとって大きな一歩と言えるだろう。

石川温(いしかわ・つつむ)
 月刊誌「日経Trendy」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。近著に「グーグルvsアップル ケータイ世界大戦」(技術評論社)など。ツイッターアカウントはhttp://twitter.com/iskw226

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