大学入学費用を節約 新入生の保護者
今春の大学・短大の新入生が出願から入学までにかかった費用の平均が、下宿生は国公立大で183万3300円、私立大で218万3600円だったことが24日、全国大学生活協同組合連合会(東京)の調査で分かった。前年比でそれぞれ3.6%減、0.8%減。住まい探しの費用や生活用品の購入費を削る傾向がみられ、同連合会は「不況で節約志向が強まった」と分析している。
調査は今年4~5月、全国の大学・短大の新入生の保護者約2万5千人にアンケートした。回収率は36.8%。
入学までにかかった費用の内訳を見ると、大学への納付金が国公立で前年比1.1%増の61万7800円、私立が2.9%減の95万6400円。受験料は横ばいだった。
一方、下宿生の住まい探しの費用は国公私立の平均で22万2400円と4.4%減少。敷金や礼金の低い物件を探したり交通費を抑えたりしたとみられる。家電や寝具など生活用品の購入費も3.0%減の28万7千円。
同連合会は「入学納付金など入学するための費用は削りにくいため、住まい探しの費用などを節約したケースが多かった」とみている。
保護者に子供の大学生活で心配な点を尋ねたところ、「就職や将来のこと」が44.5%に達し、前年より5.1ポイント上昇。「生活面や経済面」の回答も26.4%で0.6ポイント高まった。不況や厳しい就職環境に不安を抱く保護者が増えていることが浮き彫りになった。