官房長官「検察の総合的判断」 中国人船長釈放へ
「それはそれで了とする」
仙谷由人官房長官は24日午後の記者会見で、沖縄県の尖閣諸島付近での日中の船舶衝突事件で那覇地検が中国漁船の船長を釈放すると発表したことについて「法務省から刑事事件としてそういう判断に到達したと報告を受けたので、それはそれで了としている」と述べた。釈放は「検察の総合的な判断と理解している」と述べ、地検独自の判断だとの認識を強調。「粛々と国内法に基づいて手続きを進めた結果こうなった」と語った。
仙谷長官は拘置の満期前に船長を釈放したことについては捜査上の判断であるとの考えを示した。また、地検の釈放決定後に外交ルートを通じて中国側に釈放を通告したことも明らかにした。国連総会出席のためニューヨークを訪れている菅直人首相にも船長の釈放は伝わっているという。
仙谷長官は「日中関係に悪化の兆候が見えていたのは事実だ。あらためて戦略的互恵関係を充実させる努力をしないといけない」とも語った。