幼保一体化「10年必要」 政府が論点
現行の幼稚園・保育所は廃止
政府は1日の「子ども・子育て新システム検討会議」のワーキングチームで、2013年度からの実施を目指す幼保一体化に向けた論点を示した。文部科学省所管の幼稚園と厚生労働省所管の保育所を新たに設ける「こども園」に完全に一体化するまでに、10年程度の経過期間が必要だとした。新制度の導入に当たり、現行の幼稚園、保育所両制度は「廃止」するとの方針も示した。
新制度については「学校教育制度と児童福祉制度の双方を併せ持つ制度体系として構築することが必要だ」と明記した。政府は年内にも最終案をとりまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。民主党は2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)で「縦割り行政になっている子どもに関する施策を一本化」とうたっている。
ただ、最終案のとりまとめでは幼稚園を所管する文科省と保育所を所管する厚労省が、新設する「こども園」をどちらが所管するかなどを巡って対立している。運営主体や料金体系のあり方など具体論に入るほど、政府内の調整は難航しそうだ。1日に示した論点では「関係者の十分な理解と納得を得ながら検討を進める必要がある」との考えを示した。