中国、ガス田交渉を延期 衝突漁船の船長拘置に抗議
【北京=佐藤賢】中国外務省は11日未明、今月中旬に予定していた日本との東シナ海のガス田開発を巡る条約締結交渉の延期を決めたと発表した。沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船の船長が逮捕され、10日に那覇地裁石垣支部が10日間の拘置を認めたことへの対抗措置。姜瑜副報道局長の談話を発表し「強い不満と厳重な抗議を表明する」と批判した。
談話は「日本が勝手気ままに振る舞い続ければ必ず自業自得になるだろう」と警告。日本側の措置は「国際法と基本的な国際常識に違反し、不法で無効だ」と強調した。
ガス田開発の条約締結交渉を巡り日中両政府は7月に東京で初会合を開催。8月28日の日中外相会談で早期妥結に向けて努力することで合意し、北京での2回目の会合の日程を固めていた。
しかし衝突事件を受け、今月8日に北京の日本大使館前で抗議行動をした「中国民間保釣連合会」のメンバーは、ガス田開発を巡る日中合意の破棄を要求。中国政府は硬化する世論に配慮し、強硬姿勢を強めつつある。