新茶も「最速」 静岡市場で初取引
新茶シーズンの本格的な到来を告げる恒例の「新茶初取引」が15日、静岡県産茶の1割を扱う静岡茶市場(静岡市)で開かれた。3月の平均気温が例年に比べ、高かったため茶の新芽が順調に育ち、1956年の開設以来、最も早い実施となった。
午前7時にベルが鳴り、初取引がスタート。生産者や買い手の問屋など約800人が茶葉の色や香りを確かめ合った。そろばんを手に持って値段を交渉し、取引が成立すると、あちこちで「パン、パン、パン」と威勢のいい手打ちの音が響いた。
初取引の最高値は、1キロ当たり8万8800円となった。生産者(60)は「去年より少しでも高く買ってもらえてうれしい。(風評被害などで)沈みがちだった茶業界が明るくなってほしい」と話した。
取引は4月中に最盛期を迎える。15日午前の静岡県産茶の取引量は約1700キロで、1キロ平均約7200円だった。〔共同〕