大成建設、津波被害のシミュレーション施設公開
大成建設は人工で起こした波を模型にぶつけて津波被害をシミュレーションする施設を横浜市に完成、6日に報道陣に公開した。最大で高さ約40センチメートルの津波を発生させることが可能で、多様な形の波を自在につくれるのが特徴だ。津波に強い建物の設計、沿岸部の避難経路の策定などに活用する。
横浜市内にある「技術センター」内で津波実験を始めた。幅17メートル、奥行き35メートルのプールの端部に波を発生させる特殊な装置を設けた。事前に装置に水を充填し、これを一気に開放して大津波を模した波をつくる。プールの反対側に置いた建物の模型などにこの波をぶつけ、映像や模型の各所に取り付けたセンサーで波の動きや力を計る。
津波をつくる施設はこれまでもあったが、新施設は建物など構造物への影響を高い精度で予測できるという。「内陸地まで到達する津波は複雑な動きになる」(土木技術研究所の織田幸伸主任研究員)。コンピューターでは解析できない津波の影響などを明らかにし、津波の力を逃がして倒壊しない建物の設計などに役立てる。
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