地震や津波警報をスマホに自動表示 グーグル
グーグルは7日、災害情報の新サービスの提供を始めた。同社の地図サービスを使っているユーザーが地震が発生した地域にいると、気象庁の防災気象情報をもとに地震や津波の警報・注意報を自動でスマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)の画面に表示させる。また、地震や津波、地域名などのキーワードで検索すると、災害情報を時系列で分かりやすく閲覧できるようにした。併せて7つの県・市など自治体と協定を結び、避難所の情報なども迅速にグーグルのサービス上で提供することも同日、発表した。
「グーグル災害情報」は気象庁が自身のホームページやテレビ局などに提供する情報に基づき、地震発生時や津波警報・注意報の発令時に同社の検索や地図サービス上に災害情報を提供する新機能。検索窓に地震や地域名を入れると発生時刻や関連地域別の震度や震源や津波警報が地図上で確認できる。気象庁から地震発生と同時に情報提供を受け、「ほぼリアルタイムで表示できる」(プロダクトマネージャーの河合敬一氏)という。
モバイル向けの地図アプリ「グーグルマップ」やアンドロイド端末向けのユーザー支援機能「グーグルナウ」上では、地震などに関係ないキーワードで検索した場合であっても、ユーザーが地震や津波の影響を受ける地域にいる場合、検索結果画面の上部に赤色の帯で警報・注意報を自動で表示させる。
米グーグルは、2012年1月からグーグルマップに地震や気象の警報を表示するサービス「グーグルパブリックアラーツ」の提供を始めている。日本での災害情報の新機能の開発を統括したパートナーテクノロジーマネージャーのシルバ・マリリア氏によれば、気象庁が提供するするデータを「パブリックアラーツ」に変換、同社の地図情報と重ね合わせることで災害情報を利用者が体系的に得られるようにしたという。同社が震災情報をリアルタイムに自動で提供するサービスは米国に続き2カ国目。
グーグル災害情報の提供開始にあわせ、同社は神奈川県、岐阜県、三重県、山梨県、徳島県、川崎市、千葉市の7つの自治体と協定を結んだ。災害時に各自治体から安否情報や避難所、避難ルートやハザードマップなどの情報を提供を受けられる。また、すでに提携しているKDDIに加え、NTTドコモやソフトバンクモバイルから携帯電話の復旧状況、システム開発を手がけるファーストメディア(東京・千代田)から避難所の情報、ウェザーニューズから被災状況を表示する「減災リポートマップ」の提供をそれぞれ受けるようにした。
記者会見で河合氏は「気象庁のホームページだけでなく、ネットを含め様々なところで情報が次の行動につながる。自治体との連携も今回はまだ第一歩。これから他の自治体との連携を広げていきたい」と述べた。
(電子報道部 杉原梓)