敦賀原発「活断層の可能性高い」 規制委が報告書案
原子力規制委員会は28日、福井県の日本原子力発電敦賀原子力発電所の断層を評価するための専門家会合を開き、2号機の直下に走る断層を「活断層である可能性が高い」とする報告書案を大筋で了承した。一方で他の有識者から意見を聞くなどさらに手続きを踏む点を確認し、結論を先送りした。
報告書が正式にまとまるのは2月以降となり、その内容を受けて規制委が活断層かどうかを判定する段取りが固まった。日本原電は「科学的データに基づく判断になっているとは思われない」とするコメントを出した。今後、追加調査の結果を規制委に示す。
国の指針は原子炉の建屋など重要な施設を活断層の真上に建てることを許していない。規制委が活断層を理由に「再稼働を認めない」との結論を出せば、日本原電は2号機の廃炉に関する判断を迫られる見通しだ。
敦賀原発に対して昨年12月に実施した専門家による現地調査では2号機の直下を走る「D-1破砕帯」が焦点となった。D-1破砕帯は敷地内を縦断する活断層「浦底断層」から枝分かれして2号機の直下に延びており、浦底断層と連動する可能性が指摘されていた。
調査ではD-1破砕帯のすぐ上に地層の変形が見つかった。報告書案は延びる方向や傾きがD-1破砕帯と似ているなどと指摘。「浦底断層の活動に誘発されて活動する」と認め、「重要施設に影響を与える恐れがある」と警告した。
1号機の直下を走るとされる破砕帯に関しては「日本原電が調査を進めている」との指摘にとどめた。規制委は活断層との関連を別の評価会合で改めて検討する。
規制委は日本地震学会など4学会から推薦を受けた計16人を原発の断層調査団に選んだ。敦賀の調査に関わった4人以外の12人にも今回の報告書案を確認してもらう。規制委の島崎邦彦委員長代理は専門家会合で「日本原電にも再び説明を聞きたい」と述べ、慎重に判断する考えを示した。