TPP「政府試算ナンセンス」 自民部会で異論
21日の自民党農林部会などの合同会議で、政府が公表した環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に伴う経済効果の試算に異論が続出した。関連産業や雇用への影響も考慮すべきだとの意見が多く「政府試算はナンセンスだ」との声も上がった。
政府試算は輸出の増加などで国内総生産(GDP)を実質で3.2兆円押し上げる半面、安価な農産品の流入で農林水産業の生産額が3.0兆円落ち込むとの内容。自民党部会では「生産額だけでなく関連産業への影響も調べるべきだ」「雇用が変わらない前提だが、農林水産業の失業の影響も数値で示すべきだ」などの発言が相次いだ。
交渉参加に慎重だった議員連盟「TPP参加の即時撤回を求める会」(森山裕会長)は21日の役員会で、名称を「TPP交渉における国益を守り抜く会」に変えて活動を続ける方針を決めた。今後は交渉状況に関する適切な情報公開や、コメなど重要品目の関税維持の徹底を政府に求める活動を軸とする。22日の総会で正式に決める。