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シリコンバレーを抜くか? NYがハイテク産業の「ハブ」に台頭

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ニューヨーク市が、米国を代表する「ハイテク産業の中核都市(ハブ)」としての存在感を強めている。ネットを通じて小口投資を集める「クラウドファンディング」の最大手キックスターターや、高級品の割引販売を得意とする会員制ネット通販大手ギルト・グループなど、世界で活躍するネット企業が相次いで誕生している。家賃が高く、価値観が保守的なので起業には不向きとみられてきたニューヨークで何が起きているのか。最前線の動きを追った。

「メード・イン・NY」で新興企業を応援

「ハイテク産業の活性化が、ニューヨーク市の経済成長と雇用拡大の主軸となっている」。新興企業の誘致イベントで講演したマイケル・ブルームバーグ市長は19日、こう述べた。約900社のハイテク企業が市内に本社を構え、現在採用活動分だけでも3000人分の雇用を新たに生み出そうとしているという。

こうした新興企業やその商品やサービスをさらに支援するため、ブルームバーグ市長は共通ロゴ「メード・イン・NY(ニューヨーク産)」を立ち上げる計画を発表した。

2008年の金融危機以降、同市の主要産業である金融業界の雇用は縮小を続けている。ブルームバーグ市長は、ハイテク産業をこうした"失業者"の受け皿に育てることを目指している。非営利団体(NPO)や大学などと協力して、同市は金融経験者にベンチャーキャピタル(VC)への転職を促す講座や、起業のノウハウを伝授する講座を無料で提供したりしている。

有効活用されていなかった土地や建物などを、安価で起業家に貸し出す取り組みも盛ん。こうした市当局の取り組みに加え、クラウドコンピューティングの普及で自前の大型サーバーが不要となり、スペースが限られる大都市でも起業がしやすい環境が整ったこともニューヨークの起業ブームを後押しする。

技術系の人材を育成するために、教育機関の誘致にも力を入れ始めた。同じニューヨーク州内とはいえ、車で約4時間離れた場所にあった米名門大学コーネル大学は11年、市内に技術系に特化した分校を建設することを決めた。正式なキャンパスができあがるのは17年だが、12年夏から市内にあるグーグルの社屋を間借りして、1部の大学院コースを開始している。

金融危機を契機に生じた若者の価値観の変化も大きい。「東部の名門大学卒の優等生はウォール街で働かなくてはいけないという不文律は崩れた」。2005年にハーバード大を卒業したジェームズ・モランさんは、ウォール街で2年働いた後、退社して安売り情報サイト「イップイット」を元同僚と立ち上げた。

2012年に買収対象となった新興企業数(都市別)
順位都市・地域名企業数
1位シリコンバレー226
2位ニューヨーク100
3位ボストン62
4位ロサンゼルス55
5位シアトル43

金融危機を経て若者の就労間にも変化

大手金融機関への就職が成功の象徴ではなくなり、在二ューヨークの若者も起業に関心を占めすようになった。モランさんは「マネーゲームよりも人々の日常生活の役に立つサイトを運営するほうが楽しい」と語る。

米国を代表する新興企業の中核都市ランキングといえば、1位シリコンバレー、2位ボストン、3位ニューヨークというのが定番だったが、米金融情報会社プリブコによると、その順番が昨年初めて入れ替わった。

12年に買収の対象となったハイテク系企業の数は、ニューヨークが100件と、ボストンの62件を大きく上回った。

「ニューヨークで新興企業の数が増えているだけでなく、買収の対象となるような魅力的な企業が増えていることが証明された」と、プリブコのサム・ハマデア最高経営責任者(CEO)は説明する。

2012年のベンチャーキャピタル投資額の比較(地域別)
地域名VC投資額(億ドル、医療・環境分野なども含む
シリコンバレー108.68
ニューイングランド(ボストン地域)32.08
ニューヨーク23.43

とはいえ、首位シリコンバレーの背中は遠い。買収の対象となった企業の数は226件。VC投資額は約108億ドルと、ニューヨーク(約23億ドル)の約5倍の規模だ。

サービスVBではシリコンバレーより有利

だが、有力VC「DFJゴッサム・ベンチャーズ」のマネージングディレクター、サッチャー・ベルさんは「長期的にはその差は縮まっていく」と予測する。

「ニューヨークのハイテクシーンが誕生してから約15年。初代の人たちが連続起業家として起業を繰り返したり、会社の売却益をほかの新興企業に投資したり、後輩起業家にアドバイスする兄貴分として活躍したりする好循環が完成しつつある」からだ。

また、ファッションやメディア、娯楽などの他の業界との交流が盛んなニューヨークでは、「『隣人はすべてハイテク業界関係者』というシリコンバレーよりも優れた消費者向けサービスを生み出す土壌がある」とみる。

「ニューヨーカーの"Can Do(やればできる)"という姿勢は、起業にとても向いている。起業以来、苦労したことは一度もないよ」。家庭用3D(3次元)プリンターの最大手メイカーボット・インダストリーズの創業者ブレ・ペティスさんは、西海岸シアトル市出身だが、09年にニューヨークで起業したことに後悔はない。

「デザインも生産もニューヨーク市ブルックリン地区であることが誇り。発注が増えても、この姿勢を変えるつもりはない」とペティスさん。「メード・イン・NY」の流れは、今後一段と活性化しそうだ。

(ニューヨーク=清水石珠実)

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