2月失業率、2カ月ぶり悪化も「職探し活発化」
総務省が29日発表した2月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇の4.3%となった。2カ月ぶりに悪化したが、総務省は「景気回復への期待感で、職が見つからないと諦めていた人も求職を始めたため」とみている。厚生労働省が同日発表した2月の有効求人倍率(同)は0.85倍で横ばいだった。
職探しをしていない失業者にあたる非労働力人口は前月比13万人減。一方で、就業者数は9万人増で、職探しを経て仕事に就く人は増えた。安倍政権の経済政策「アベノミクス」による景況感の好転を背景に、職探しを始める人が増えている。
完全失業者の失業理由をみると、「新たに求職」をあげた人は4万人増え、80万人となった。増加幅は、1月の2万人増から倍増した。リストラなど「非自発的な離職」が7万人減って99万人になったのとは対照的だ。厚労省は「雇用情勢は緩やかに持ち直している」との基調判断を据え置いた。
職探しを始めた人が増えた結果、非労働力人口は減った。減少した人数のうち、約8割は女性だった。就業者数が前年同月と比べ増えている医療・福祉業や宿泊・飲食サービス業などが雇用の受け皿になっているとみられる。女性の失業率は求職者が増えたので、0.1ポイント上昇の3.9%となった。
2月の新規求人は前年同月比4.7%増えた。卸・小売業(10.4%増)、教育・学習支援業(11.7%)など、求人も女性が多く働くサービス業を中心に増えた。復興需要が底堅い建設業も6.5%増えた。一方、製造業は8.9%減り、9カ月連続で減少した。