国際柔道連盟に謝罪 全柔連会長、暴力問題で
【パリ=共同】国際柔道連盟(IJF)のマリアス・ビゼール会長は8日、パリ市内で記者会見し、全日本柔道連盟(全柔連)の上村春樹会長が女子日本代表の園田隆二前監督らによる暴力とパワーハラスメントの問題について説明し、謝罪したことを明らかにした。
女子15選手の告発から発覚した一連の問題は、競技発祥国の連盟から国際連盟への謝罪という異例の事態に至った。
この日、上村会長と会談したビゼール会長は「上村会長と問題の分析と解決の方策を決めた」と、全柔連とともに調査する方針を明らかにした。問題の責任については「直接的には監督、コーチにある」と語り、「選手指導におけるこのような(暴力的)行為は、われわれのモラルや倫理の規定には則さない」とあらためて批判した。
東京が開催を目指す2020年夏季五輪招致への影響については、既に全柔連が対応に乗り出していることを踏まえ「五輪は柔道だけではない。影響はないと思う」との考えを示した。
上村会長は、グランドスラム・パリ大会に合わせて7日にパリ入り。下村博文文部科学相が出した「スポーツ指導における暴力根絶へ向けて」とのメッセージをビゼール会長に手渡し、再発防止などのための対策を示す意向を示していた。