液状化の可能性高い地域5.6% 都が予測図公開
東京都は27日、東日本大震災による液状化被害を受けて26年ぶりに全面改定した都内の液状化予測図を、都土木技術支援・人材育成センターのホームページ上で公開した。液状化の可能性を「高い」「ある」「低い」の3段階で示しており、自宅周辺などのリスクを簡単に確認できる。
新たな予測図では、地震の揺れを関東大震災並みの震度6弱と想定。1986~96年度に作製した従来の予測図の約1.5倍に当たる約2万本の地質データを集め、地下水位や砂層などの分布状況を調べた。
調査対象とした約1211平方キロメートルのうち、液状化の可能性が「高い」としたのは5.6%の約68平方キロメートル。従来の5.3%とほぼ同水準だった。「ある」は16.7%に当たる約202平方キロメートル。
市区町村別に「高い」の面積を見ると、足立区が約19平方キロメートルで最も広く、江戸川区(約14平方キロメートル)、葛飾区(約12平方キロメートル)と続く。地盤が弱いとされる区部東側や埋め立て地の多い臨海部に集中している。
東日本大震災を受け、都は11年9月に専門家らによる委員会を立ち上げ、液状化予測図の見直しを進めていた。近く地盤調査の方法や対策工事の方法などを解説した手引を作成し、都民の相談に応じるアドバイザー制度も創設する。
都によると、東日本大震災では都内9区で液状化現象が確認され、墨田、江東、足立、葛飾、江戸川の5区で建物が傾いたり亀裂が生じるなどの被害が起きた。都は昨年4月に公表した首都直下地震の被害想定で、液状化によって1134棟が全壊、半壊も6万3045棟に達すると予想している。