東北電・四国電値上げ「被災地に配慮を」 経産省専門委で声
経済産業省の電気料金審査専門委員会は5日、東北電力と四国電力の値上げ申請で審査を開始した。「復旧に大きな影響が出る」(宮城県・村井嘉浩知事)など東日本大震災の被災地域への配慮を求める声が相次いだ。
申請によると、7月1日から東北電力は家庭用で平均11.41%、四国電力は同10.94%の値上げを予定する。両社とも震災後に火力への依存度が高まり、石炭や液化天然ガス(LNG)などの燃料費が膨らんだ。
審査対象は2013~15年度の3年間。東北電力は比較対象となる08年度と比べ電力事業の原価は1200億円増え1.5兆円になる見込み。値上げしなければ収入は1.3兆円にとどまり、2000億円の収入不足となる。東北電力は赤字回避のために値上げが必要と説明した。
宮城県の村井知事は「今なお10万人が避難生活を送っている。値上げは復興事業の遅れにもつながる。経営合理化によるコスト削減に取り組んでほしい」と語った。経済団体の代表者は「電力会社の雇用は地域へ影響が大きい」と述べ、人件費以外から経費を削減するよう求めた。