首相、勝敗ラインは「比較第1党」 政権枠組み柔軟
【プノンペン=桃井裕理】野田佳彦首相は19日夜、プノンペンでの同行記者団との懇談で、衆院選の勝敗ラインについて「比較第1党を目指し、引き続き民主党政権を4年間続けさせることだ」との認識を明らかにした。選挙後の政権枠組みは「結果を踏まえて対応する。相対的にほかの政党がどうなるかをみながら判断する」と柔軟な姿勢を示した。
比較第1党になれなかった場合の責任については「これから1カ月あって、勝利を目指すときにそんな話は意味がない」と言及を避けた。民主党の輿石東幹事長が単独過半数は困難との見方を示していることにも「今、言及する段階ではない」と述べるにとどめた。
衆院解散後も民主党から離党者が相次いでいることには「閣僚経験者を含めて離党者が出たことは残念だ。しかし、政策の一致できる人たちと覚悟と胆力を持って厳しい戦いに挑戦し、勝利をするということだと思う」と強調した。
主な発言は以下の通り。
【衆院選勝敗ライン】
比較第1党を目指し、引き続き民主党の政権を4年間続けさせることだ。(達成できなかった場合の責任は)これから1カ月あって勝利を目指すときにそんな話をしても意味がない。
【政権枠組み】
1カ月あるので結果を踏まえて対応する。相対的にほかの政党がどうなるかを見ながら判断する。(第三極との連携は)新しい政党の理念や方向感がよく分からない。
(民主党も「野合」との批判について)社会保障と税の一体改革では結論を出して実現した。野合ではなく責任ある行動を貫徹した。(第三極は)脱原発か原発推進か。減税しようとした人たちと組もうとして、次の日には(消費税率を)11%だという人たちと組む。基本政策が全く見えないのはおかしい。
【公認の基準】
掲げる政策に基本的に賛同し、実現のために一緒になって歯を食いしばって戦う人というのが公認の基準だ。振り出しに戻そうという議論はあってはならない。環太平洋経済連携協定(TPP)は私の所信表明演説や党代表選公約に掲げたことが基本で、大きく逸脱する話は同じ党としておかしい。どういう重たい立場だった人であろうが、きちっと守っていただく。脱世襲の政治は厳格に推進する。
【建設国債の日銀引き受け】
借金を積み重ねてばらまきの公共事業をやるのは、まさに財政規律を守らないということだ。禁じ手で、借金まみれで経済対策を打ち、日銀に引き受けさせるという二重の意味で、あってはならない経済政策だ。