日本人の女児、間一髪で救出 米乱射事件
【ニュータウン=共同】米コネティカット州ニュータウンで、子供20人を含む26人が射殺される事件のあった小学校には複数の日本人の女児らが通い、間一髪で救出されていた。母親2人が17日までに共同通信の取材に応じ「無事に生きて帰れたのは奇跡」と涙ながらに語った。
ホーク由美子さん(46)の次女、鈴音ちゃん(7)が由美子さんに語った話によると、14日朝、教室に「耳が壊れるほど大きな音が突然響き渡った」。ランザ容疑者(20)が銃を乱射していたのはすぐ隣の教室。ガラス窓が大きく震えた。
警官らが鈴音ちゃんのクラスの児童全員を救出。しかし教室前の廊下には、射殺された女性校長が血まみれで横たわる。警官の一人は「前の子の肩を持って1列に並んで。『いい』と言うまで絶対に目を開けちゃ駄目だぞ」と語りかけた。
由美子さんは鈴音ちゃんを迎えに、児童らが避難した学校の隣の消防署に向かった。児童が恐怖からあちこちで嘔吐(おうと)し、多くの親も半狂乱。600人以上の児童と親らであふれ返り、鈴音ちゃんを捜し出すまで「気の遠くなるような長い時間」を感じた。
ランザ容疑者は、由美子さんの家から3軒隣の住人。容疑者の母親も射殺されていた。周辺は全米屈指の裕福な地域。「1人のモンスターが出たが、町も人も本当にいいところ」。いまだに事件が起きたことが信じられないと由美子さん。
フィッシャー順子さん(39)の長女、ケイトちゃん(8)と次女のグレースちゃん(6)も事件に遭った。「私の子供が犠牲になったかもしれない。子供を亡くした親の気持ちを考えると……」。順子さんは、ハンカチで目尻をぬぐい続けた。