プジョーとオペルが合併検討か 仏紙報道
【パリ=竹内康雄】仏経済紙ラ・トリビューヌは12日、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)傘下の独オペルと、仏自動車大手プジョーシトロエングループ(PSA)が合併を検討していると報じた。オペル本体とPSAの自動車部門を再編し、共同で新会社をつくる案が有力。年内にも結論が出るという。両社の現在の年間生産台数の合計は約410万台。
PSAとオペルは、欧州債務危機による販売不振で業績が低迷。PSAは7月に仏国内で8000人の削減計画を発表し、オペルも欧州でのリストラに動きつつある。
PSAは2月にGMとの包括提携を決めたが、具体的な提携効果が得られていないとの批判もあった。合併が実現すれば、業績回復につながる可能性がある。同紙は、GMにとっても「欧州での事業拡大に向けた一つの解決策」と報じた。
ただ同紙は、PSAの大株主であるプジョー家には「ためらいもあるようだ」と指摘。合併に同意を得られるかどうかは流動的と伝えた。PSAの人員削減策に関しては仏政府も介入しており「政府は納得するかどうか」との見方も伝えた。
PSAは仏AFP通信へのコメントを拒否。オペルは「GMグループとして、2月に決まった提携に基づき様々な協議はしている」と話した。