規制委、大飯原発「活断層の疑い残る」
関電の説明に納得せず
原子力規制委員会は28日、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)の断層を再調査した。島崎邦彦委員長代理は「活断層はないという関電の説明には納得していない」と述べ、活断層の疑いが残るとして、29日も調査を続ける。
28日は敷地北側の海岸付近にある地層のずれを主に調べた。11月の調査で見つけ、ずれの原因が活断層か地滑りかで専門家の見解が分かれたため、規制委が関電に追加の掘削工事を求めていた。
関電は海岸付近に掘った溝を東西に延長。2号機と3号機の間の「F-6断層」の周辺も掘削した。調査団は溝に入って地層のゆがみを見たり、土を採取したりした。
関電は「溝の東西で同じようなずれが見つかった」と説明する。地滑りは馬てい状に土が崩れ落ちる。溝の東側と西側に同じ方向に滑ったずれがあったため、地滑りの可能性が高いと判断した。
5人の調査団のうち、関電と同じ考えを示したのは立命館大の岡田篤正教授のみ。ほかの4人は「疑問を持った」(東洋大の渡辺満久教授)「説明しきれない部分がある」(信州大の広内大助准教授)と隔たりがある。29日は原子炉建屋北側の溝を調べ、F-6断層の走向などを確認する。
F-6断層は重要施設の非常用取水路の真下を通る。国の基準は活断層の真上に重要施設を建てることを認めていない。調査団は年明けに評価会合を開き、活断層の有無を協議。仮に活断層と判定すれば、規制委は関電に3、4号機の運転停止を求める行政指導を出す。
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