津波「巨大」すぐ避難を 気象庁、新警報7日開始
東日本大震災から2年を目前に控え、気象庁は7日正午、表現を改めた新しい津波警報の運用を開始する。震災では直前まで避難しなかった犠牲者も多かったことから、最初の警報では予想津波高を示さず、「巨大」「高い」と表現して迅速な避難を促す。同庁は新警報にいち早くなじんでもらおうとポスターを作製するなどPRに力を入れている。
「『巨大』と発表されたら、非常事態」。気象庁は2月、新しい津波警報をPRするポスターを約3万枚作製し、全国の小中学校や鉄道駅構内、高速道路のパーキングエリア内などに掲示している。また気象庁職員自らラジオ番組に出演して説明するなど普及に力を入れている。
新しい津波警報は危険性を強調することに重点を置いた。すぐに正確な地震の規模が把握しにくいマグニチュード8.0超の巨大地震の場合、予断をもたせないよう最初の発表では予想津波高の数値を示さない。大津波警報(3メートル超)は「巨大」、津波警報(1メートル超~3メートル以下)は「高い」との表現にする。
その後の警報で予想津波高を示す際も、10メートル超▽10メートル(5メートル超~10メートル)▽5メートル(3メートル超~5メートル)などと、上限の数値を示すことで迅速な避難を呼びかける。
実際に観測した津波の高さについても、後続波が第1波を上回ることが少なくないため、一定の高さを超えるまで「観測中」と表示する。
東日本大震災で気象庁が出した最初の津波警報は岩手、福島両県が3メートル、宮城県が6メートルと実際より大幅に低いものだった。その後引き上げたが、第1波の観測値の低さが避難の遅れにつながったとも指摘された。
気象庁地震火山部の担当者は「テレビやラジオで『巨大』『高い』の言葉を見たり、聞いたりしたらすぐに避難してほしい」と呼びかけている。