福島の原発周辺地域、震災後初のがれき撤去
東京電力福島第1原発事故を受け、国が廃棄物処理を直轄する福島県内の旧警戒区域で1日、震災後初となるがれきの撤去が始まった。国は来年3月末までに処理を完了する計画。ただ、がれきの仮置き場の選定はほとんど進んでおらず、達成は厳しい情勢だ。
同県南相馬市の海沿いにある小高地区。1日午前、津波で流された家屋の破片などが山積みとなる中、作業員らが回収を始めた。所管する環境省の担当者は「震災後2年近くでようやく始まった。今後スピードアップしたい」と話した。
環境省は2011年12月、警戒区域と計画的避難区域を「汚染廃棄物対策地域」に指定。昨年6月には同地域のがれきを分別して仮置き場に搬入し、焼却やリサイクルに回す計画を策定した。
同省は津波被害を受けた福島沿岸の原発周辺自治体(南相馬市、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町)で、47万4千トンのがれきが発生すると推定。ただ、仮置き場は南相馬市と楢葉町以外では確保のメドすら立っていない。