1号機建屋内の映像公表 東電、福島原発の虚偽説明で
東京電力の虚偽説明により国会の事故調査委員会が福島第1原発1号機の現地調査を断念した問題で、東電は16日までに、国会事故調が調査を求めていた「非常用復水器」周辺の映像を初めて公表した。東電は映像をもとに、復水器の損傷は確認できなかったとしており、地震で復水器が損傷したとする国会事故調の推定を改めて否定した。
映像は計28分で、昨年11月30日に東電社員4人が撮影した。建屋内は暗く、復水器がある4階では社員が天井にある換気ダクトをライトで照らし「破れちゃっている」などと話し合う様子が記録されている。
国会事故調は作業員の証言などから、復水器は地震で壊れて水が漏れたと推定。これに対し東電は5階の使用済み燃料プールからあふれた水が流れ込んだためにダクトが損傷し、水が漏れたとみられると説明していた。
これまで映像を公開しなかった理由について、東電は「現場で映像を撮っていたことを把握していなかった」(広報部)としている。