米フェイスブック、贈答品販売を開始 物販を本格化
【シリコンバレー=奥平和行】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックは27日、誕生日プレゼントなど贈答品の販売を始めると発表した。ウェブサイトなどを通じ、フェイスブックを利用している友人に贈り物ができるようにする。同社は売上高の大半をインターネット広告に依存しているが、物販が軌道に乗れば収益源の多角化につながりそうだ。
米国で一部利用者を対象に「ギフト」と呼ぶサービスを始めた。ウェブやスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)のアプリ(応用ソフト)を通じて誕生日を迎える友人などへのプレゼントを選び、クレジットカードで決済。友人はフェイスブックを通じてプレゼントを受け取ったとの通知を受け、送り先を指定する仕組みだ。
第1弾としてコーヒーチェーン大手の米スターバックスなど約100社の協力を受け、ギフトカードや菓子、生花などの販売を始めた。国外でのサービス提供の時期は未定。フェイスブックは販売額の一定割合を手数料として受け取る仕組みで、軌道に乗れば広告やゲームの課金手数料に次ぐ収益源になりそうだ。
同社は5月、SNSと連動した物販を手掛けるベンチャー企業、米カーマ・サイエンス(カリフォルニア州)を買収し、同社の技術を活用して新サービスを開発した。フェイスブックは2007年から10年まで「フェイスブック・ギフトショップ」という名称でイラストなどのバーチャル(仮想)グッズを販売していたが、利用者が増えずに中止した経緯がある。