阪神大震災18年、鎮魂の被災地 「教訓を後世に」
6434人が亡くなった阪神大震災は17日、発生から18年を迎えた。神戸市など各地で追悼行事が営まれ、鎮魂の祈りに包まれた。行事には東日本大震災の被災者らも参加。南海トラフ巨大地震の懸念も強まるなか、防災と復興への誓いを新たにした。
「慰霊と復興のモニュメント」がある神戸市中央区の東遊園地では「1.17のつどい」が開かれ、約5000人が集まった。地震発生時刻の午前5時46分、「1.17」の形に並べられた竹灯籠を囲み、黙とうした。
小学5年の長女(当時10)を失った同市東灘区の酒店経営、藤本圭子さん(55)が遺族代表として「阪神大震災を風化させない。東日本大震災も忘れてはいけない」とあいさつ。矢田立郎神戸市長は「震災で得た教訓を後世に継承していかなければならない。経験を他の被災地支援に役立てるのは私たちの使命」と述べた。
被災した兵庫県内12市の人口は昨年末で約366万5千人と、震災前から約7万5千人増。一方、神戸市によると、震災後に生まれた子供や新たに転居してきた神戸市民は昨年11月時点で全体の約41%を占める。県内の復興住宅では高齢化が進み、65歳以上の割合は約48%と一般県営住宅(約27%)を大きく上回っている。