首相、国債発行の抑制指示 「信認確保のため」
臨時閣議で
麻生太郎副総理兼財務・金融相は27日午後、臨時閣議後の記者会見で安倍晋三首相が予算編成に伴う国債発行に関し、「国債に対する信頼・信認を確保するため公債発行額をできるだけ抑制し、中長期的に持続可能な財政構造を目指す」と述べたことを明らかにした。
予算編成に伴う国債発行に関し麻生副総理は「マーケットがどのくらい吸収できるかについてはマーケットに聞いてもらう以外方法がない」と指摘した。「公債を出せば出すほど逆に(金利が)下がっているという状態は明らかに異常。これははっきりしている」とも強調。「世界中でこれだけ金利が下がったことなど過去に1回もない、そういった状況になっているということは十分に考えているが、だからといって無制限に出せばいいというものではない。当然だと思う」と述べた。
26日夜、第2次安倍内閣の初閣議後の記者会見で麻生氏は44兆円の国債発行枠にこだわらない姿勢を示した。27日の記者会見で国債増発で財政を維持できるか問われると「可能だと思っている」と言明した。債券売買に占める外国人投資家の割合について「先物は4割、現物は2割」との認識を示した。そのうえで「円という通貨で発行している国債というものを長期に保有してくれているということが大事」と語った。
13年度予算の概算決定は1月中を目指すが、安倍首相は13年度の税制改正案も概算決定までにまとめる意向も示した。財務相は「(臨時閣議で)これまで提出いただいた税制改正要望を与党とも調整をいただき、必要がある場合は要望をさしかえ登録していただくことについて発言した」と話した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕