規制委員長は首相任命で 人事案、国会採決を先送り
政府は30日、原子力規制委員会委員長に田中俊一・前原子力委員会委員長代理を充てる人事案について、今国会会期末の9月8日以降に野田佳彦首相の任命で決定する方針を固めた。民主党は今国会の人事案採決を先送りする方向で、規制委設置期限の9月26日に間に合わせるにはやむを得ないと判断した。
規制委設置法付則では国会閉会中には首相が委員を任命できる規定がある。首相が任命しても、秋に召集予定の臨時国会で衆参両院の同意が必要となる。
民主党の輿石東幹事長は30日の記者会見で「国会で決められなかった場合には政府の責任で決めることができる。それも含めて判断すればいい」と述べ、今国会での採決を先送りし首相任命で決める可能性に言及した。
政府は規制委員長に田中氏を充てるなどの人事案を国会に提示済み。付則の規定を適用すれば、国会の同意を得なくても規制委の発足期限である9月26日より前に人事を決定することが可能になる。政府では委員長が決まらなければ規制委設置は困難とみている。