フェイスブック上場、初値42ドル 時価総額9.1兆円
交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックが18日、米ナスダック市場に株式を上場した。初値は42.05ドルと公募・売り出し価格(38ドル)を約11%上回り、まずまずの滑り出しとなった。世界の株式市場が不安定な中でも同社のような大型上場が出ること自体、米株式市場の懐の深さを示している。
初値をもとに算出した時価総額は約1150億ドル(約9兆1千億円)と、米企業では外食大手マクドナルドなどを上回る水準に達した。ただ買い一巡後は売り注文が膨らみ、公募・売り出し価格に接近する場面もあった。正午(日本時間19日午前1時)時点の株価は38.94ドル。
上場に伴う市場からの調達額は約184億ドル(約1兆4500億円)まで膨らむ可能性があり、米インターネット企業としては2004年に上場したグーグルの約19億ドルを上回り、世界のIT(情報技術)企業としても最大規模となった。
フェイスブックは18日朝、米カリフォルニア州メンロパーク市の本社の中庭で記念式典を開いた。共同創業者のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)がナスダック市場のオープニングベルのボタンを押すと、社員らは笑顔で拍手しながら喜び合った。
フェイスブックは米ハーバード大学の学生だったザッカーバーグ氏らが設立。08年にはサイトの月間訪問者が米マイスペースを抜き、世界最大のSNSになった。SNSの普及により友人や知人の推薦により情報を入手するネット利用者が増加。「口コミ」を素早く広範に伝える役割があり、世界各地の政治や企業活動にも影響を及ぼしている。
(シリコンバレー=奥平和行)