電力3社、原発停止響き大幅赤字 12年4~12月期
九州電力、四国電力、北海道電力が30日発表した2012年4~12月期連結決算は、原子力発電所の稼働停止に伴う火力の燃料費負担で大幅な最終赤字となった。北海道電と四国電は13年3月期通期見通しを初めて開示。過去最悪の最終赤字が見込まれ、両社とも創業期以来の無配となる。
北海道電と四国電は料金値上げの検討に入ることを明らかにしている。北海道電の川合克彦社長は、泊原発の再稼働時期が不透明な状況が続いた場合、料金値上げは「(遅くとも)8月とか9月」と夏からの実施を示唆した。四国電の千葉昭社長は「2月中に申請する方向で最終的に詰めている」と述べた。値上げ幅は明言を避けた。
九州電の12年4~12月期は最終損益が2347億円の赤字だった。燃料費が1512億円増加。他社からの購入電力料も663億円増えた。北海道電の最終損益は908億円の赤字、四国電は309億円の赤字だった。
北海道電の13年3月期最終損益は1440億円の赤字、四国電は500億円の赤字の見通し。両社とも年間配当を創業期以来61年ぶりの無配とする。九州電は従来予想の3650億円の最終赤字見通しを据え置いた。