規制委、東通原発の断層を調査 20日の会合で評価
原子力規制委員会は13日、東北電力東通原子力発電所(青森県)の敷地内の断層が活断層かどうか調査を始めた。活断層だった場合、原子炉建屋の耐震補強工事などが必要になる可能性がある。
規制委の現地調査は関西電力大飯原発(福井県)、日本原子力発電敦賀原発(同)に続いて3カ所目。調査団は規制委の島崎邦彦委員長代理、佐藤比呂志東大教授ら地震や活断層に詳しい5人の専門家でつくる。
調査は13、14日の2日間を予定する。初日は敷地南部に東北電が掘った3カ所の溝に立ち入り、「F-3」や「F-9」と呼ばれる断層が活断層かどうかを調べる。2日目は気になった箇所を重点的に調査する。活断層であるかどうかは20日の会合で評価する。
東北電は断層について「地層に水がしみ込み、膨らんでずれが生じた」と説明する。一方で調査団が11月に開いた事前会合では「これだけの大きなずれを説明できるのか」「水で膨れたという説明は聞いたことがない」などと疑問が相次いだ。
活断層であれば、東北電は原発の耐震で補強を迫られる可能性がある。原発は過去の地震の記録や活断層からの距離などに基づいて想定される最も大きな地震を計算し、余裕を持って耐えられるよう設計している。敷地内の断層が活断層なら想定すべき地震の規模はずっと大きくなる。規制委が再稼働を認めるのに、補強工事を求められる展開も予想される。
活断層が建屋の真下を走っていれば、規制委は補強工事をしても再稼働を認めない方針だ。東通は建屋の真下を通っていないため敦賀原発などと異なり、すぐに廃炉につながる公算は小さい。