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首相、今国会での解散見送り 10月にらみ各党準備

首相問責、29日可決

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自民、公明両党は28日、今国会での衆院解散を求めて野田佳彦首相への問責決議案を参院に共同提出した。他の野党と調整し、29日の本会議で可決する見通しだ。可決しても法的拘束力はなく、首相は今国会での衆院解散には応じない考え。だが今後の政権運営には大きな打撃となり、9月8日の国会会期末を控えて与野党の対決はヤマ場を迎えた。

首相周辺によると、首相は内閣総辞職や今国会での衆院解散を否定している。首相は8日に自公両党首と「近いうちに国民に信を問う」ことで合意した。与野党で「10月解散―11月衆院選」との見方が強まっており、各党は衆院選の準備を加速する方針だ。

首相は今国会の閉会後、9月21日の民主党代表選での再選を目指し立候補を正式に表明する見通しだ。再選した場合、内閣改造・党役員人事を断行する方針で、輿石東幹事長の交代を検討している。9月下旬のニューヨークでの国連総会出席など外交にも意欲を示している。

政府・民主党が検討している臨時国会の召集時期は代表選などを終えた10月。与野党内では、臨時国会の冒頭で2012年度予算の執行に欠かせない赤字国債発行法案を成立させ、首相が衆院解散に踏み切るとの見方が浮かぶ。ただ民主党内には解散を年明け以降に先送りするよう求める意見も根強く、首相は難しい判断を迫られる。

赤字国債法案と「1票の格差是正」などを盛り込んだ衆院選挙制度改革関連法案は28日の衆院本会議で与党の賛成多数で可決、参院に送られた。参院は野党が多数を握り、両案の成立は難しい。

29日の参院本会議では、問責決議案の採決に先立ち(1)定年後も希望者全員を雇用することを企業に義務付ける高年齢者雇用安定法改正案(2)大阪都構想の実現を後押しする大都市地域特別区設置法案(3)離島での犯罪発生時に海上保安官が逮捕する警察権を行使できるようにする海上保安庁法改正案――などが可決、成立する見通しだ。

自公両党が出した問責決議案は「首相は国家運営能力と責任感が絶対的に欠如している」などと指摘した。国民の生活が第一など中小野党は7日に問責決議案を提出しており、自民党は決議の可決を優先し中小野党案に同調する方向だ。

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