アップル訴訟、次の焦点は販売差し止め 9月20日審問
サムスンの特許侵害認める米評決
【シリコンバレー=岡田信行】米連邦地裁の陪審が韓国サムスン電子の特許侵害を認め、米アップルに有利な評決を出した。次の焦点は担当するルーシー・コー判事が下す命令(判決)に移る。アップルは近く、特許を侵害したと認められたサムスン製品の米国内での販売差し止めを申請する方針。米連邦地裁は9月20日にヒアリング(審問)を行う。
今後、サムスン側が控訴すれば、次は日本の知財高裁に相当する連邦巡回区控訴裁判所で審理することになる。最終的には日本の最高裁に当たる連邦最高裁判所に上告することもできる。
ただ、連邦最高裁が受け付ける事案は、州によって法律の解釈が分かれるものや最高裁が独自に重要性を認めたものに限られる。9割以上は棄却されるといい、その場合は二審判決が確定する。
一方、販売差し止め申請の関連では、コー判事が9月のヒアリング結果を受けて販売差し止め命令を出す見通しだ。
通常、特許訴訟では相互に特許を使えるようにして紛争を回避するクロスライセンス契約を結んで和解する例が多い。今回の訴訟では、アップルが侵害したと認定されたサムスンの特許がないため、訴訟は長期化する可能性もある。